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仏教漢文にふれる―『大乗起信論』を読む―

講 師

橘川 智昭 先生(東洋大学・東海大学非常勤講師)

開講日

第2,第4月曜日 18:00-19:30  講座開始日4月10日(月)

テキスト

 プリント配布(コピー代は別途ご負担いただきます)

講義内容

  馬鳴造・真諦訳『大乗起信論』を講読します。『大乗起信論』は如来蔵思想を説く書として知られますが,やはり第一には,その名の通り,大乗とは何であるのか,大乗の法を信ずるとはどのようなことであるのかを描き出そうとするものとしてうけとめるべきでしょう。もう少しつけ加えますと,本書は摩訶衍(大乗)の法とは衆生心のことであると述べ,一切の迷悟,染浄の世界を衆生心の内容として考察が進められていきます。『大乗起信論』は大乗仏教の綱要書であるとともに,私たちの心を探究する哲学書でもあります。
 『大乗起信論』は六世紀中葉の中国仏教の教理学に姿をあらわしました。表向きはインドの馬鳴(アシュヴァゴーシャ)が作り,真諦三蔵(499-569,パラマールタ)が漢訳したことになっていますが,夙に本書は中国で作られたものであろうという説が生まれ,今日の学界でも未解決です。しかし成立事情が疑わしいからといって本書の価値が損なわれるものではありません。中国・朝鮮半島・日本という東アジアにおいて,この書は最も多く読まれ,尊重されてきた仏教書であり,群を抜く輝きを放っています。
 講読では,漢文と書き下し文のプリントを配布し,解説をまじえながらゆっくり読み進めたいと思います。本年度は解釈分の熏習説から読み始めます。参考書等については講義の中で随時紹介してまいります。